みなさんこんにちは! “Dead by Daylight”(DBD)という非対称型サバイバルホラーゲームのコミュニティ大会”DIC”を主催している、ここしょーと申します。
昨年に続き、様々なゲームタイトルのイベントオーガナイザー等が持ち回りで大会運営に関する体験談や考察を寄稿する「こみゅリポ Advent Calendar」にお誘いいただきましたので、今年も書かせていただきます。
12/1〜25の期間中、1人ずつ記事が公開されていきます。ゲームタイトルは違っても自分の大会運営に活かせる知見ばかりが集まっているので、今年も勉強させていただいています。以下のリンクから各記事を是非覗いてみてください!

こみゅリポAdvent Calendar 2022⇒https://adventar.org/calendars/7830

ここしょーは、前日21日の記事を担当された「Ayuha Nakamura/アユハ」さんからバトンを引き継ぎました!
esportsプレーヤーにとってはとてもなじみ深い「トーナメント」の語源について探求されています。こちらから読めますので併せてどうぞ!→https://ayuha167.github.io/blog/2022/12/20/

それでは、ここからが本編です。



甘かった計画

DBDというゲームは2016年にカナダの会社によってリリースされ、6年経つ今も日本でも盛り上がりを見せています。一方で、これまで(少なくとも日本では)オフライン大会はほぼ開催されてきませんでした。

そして2022年12月3日、ついにDIC初のオフライン大会を東京都内で開催しました。

なぜオフライン大会を開催するに至ったか、どのような道のりだったかについてはあまりにも話が長くなるので別の記事に譲りますが、今回は素人運営がゆえに大きな窮地に見舞われてしまったお話をします。

結果的にはイベントは成功したのでよかったのですが、危うく次回開催ができない状態になるところでした。

初めてのオフライン大会開催における最も大きな失敗、それは「予算計画」です。

今回のイベントは有観客で行うため、最大の収入源は「観客の入場料(チケット代)」です。会場の選定を終えて最大収容人数が確定し、会場費や備品のレンタル費、出演料などを大まかに見積もった上でチケット代を決めようとしました。

しかし、支出予定額の100%をチケット代だけで賄おうとすると、1枚あたり7000円以上になってしまう。DBDに関連した過去のオフラインイベント(esportsとはちょっと違いますが)は、豪華出演者とプロの運営で1人あたり5000~6000円程度。一方、こちらは初開催の素人集団。最高でも5000円、できれば3000円程度に抑えたかったため、他の収入源が必要です。

ただ、PPV(オンライン配信の有料化)は厳しい。今大会は「オフライン大会の雰囲気を多くの人に感じてもらい、選手としての参加や観客としての来場など潜在的なファンを増やして次回以降につなげる」というショーケースの意味合いが強く、また商品としての配信品質を担保できない可能性が高かったため、PPVは早々と選択肢から外しました。企業スポンサーも、オフライン大会の実績皆無の状態で資金面でサポートを得ることは確実視できず、計画段階では考えないことにしました。また、今大会は管理の都合上、選手は2チーム計10人の招待制にしており、選手から参加料をいただくことも選択肢にはありませんでした。

そこで計画に入れたのが、「個人スポンサー」です。DICでは2022年2月に開催したオンラインによる第3回大会、同年8月に開催した第4回大会において、Tonamelのスポンサー機能でいずれも十数万円のご支援いただくことができました。

「今大会も同額くらい見込めば、チケット代は何とか3000円でも大丈夫そうだ」

この考えが、大きな過ちだったのでした。

積みあがる支出、東京五輪のごとし

これは、オフライン大会の開催許可を得るため、カナダの本社に送付した企画書の中の予算計画の一部です。計画を始めた22年8月時点のものです。

選定した会場に出してもらった見積書を基に、会場費、映像・音響・競技用機材手配費、施設管理費のほか出演料、運営雑費の見込みを計上し、トータルコストは56万円ほどを見積もっていました。

これに対し、大まかにコストの約4割をチケット収入、約3割を個人スポンサーによる支援で計画し、残りはここしょーが負担するか個人スポンサーの上振れがあればそれを充てることを考えていました。多少は自費を持ち出す覚悟ではいました。

ところが、開催許可を得て準備を進めていくと、様子が変わってきました。

どんどん追加経費がかかってくるのです。

例えば、「勝利したチームにはトロフィーを渡してesportsっぽい写真を撮りたいよね」とか、「演者用の控室が会場にないから、近隣のレンタルルームを借りないと」とか、「会場の椅子だと足りないから、追加でレンタルしないと」とか……。

運営上欠かせない備品等の追加発注もあれば、イベントの全体像がある程度見えたところで演出のディテールで「欲」が出ることもあり、それに付随してさらにこまごまとした備品が必要になったりしました。

初めての運営であまり欲をかきすぎると破綻する恐れもあったため、多くのことを諦めました。ですがそれでも、気づけば必要経費は60%増の約90万円にまで膨れ上がってしまったのです。

脳裏に浮かんだのは「1兆、2兆、3兆と。お豆腐屋さんじゃないんです」と小池百合子氏が放った名言。規模は違えど、当初計画から予算が膨れ上がった構図は東京オリパラのようでした。



計画の練り直し

このままでは、ここしょーの冬のボーナスが召し上げられてしまう……。ということで、予算計画の練り直しです。

まずは収入を増やすこと。本当は3000円にしたかったチケット代ですが、泣く泣く5000円に引き上げました。これにより、15万円以上を捻出できました。

さらに、当初計画に入れていなかった物販テストを行うことを決めて売上見込みも計上。さらに備品はなるべく買わずにあるものを使うなど支出面も見直しました。

それでも、赤字幅は40万円ほど。あとは企業スポンサーを探しつつ、本命の個人スポンサーを祈ることしかできません。

「さすがに40万円も赤字になったら次の大会は開けないなぁ……」と苦しい状況でした。

最後の頼みは個人スポンサー

開催まで約3週間となった11月12日にTonamelの大会ページを公開し、個人スポンサーを募りました。

40万円の赤字幅を圧縮するには、個人スポンサーが命です。できる努力はすべてやる、という気持ちで準備を進めました。心配させてしまうのは申し訳ないので、赤字額を生々しく書くことはせずに支援を呼びかけました。

まず、せっかくのオフライン大会ですので、あらかじめ断ったうえで本来は非公開の「メッセージ欄」にメッセージを書いてもらい、それを会場のスポンサーボードに貼るという試みを行いました。非公開希望の方はその旨を書いてもらうよう促しました。

今回設定したオプションは、1000円、3000円、5000円、1万円、2万円、金額自由設定の6種類。うち5000円以上を選択してもらった方には、スポンサーボードへのメッセージ掲載だけでなく、特定の選手に対するメッセージを運営が代理で手渡しする特典も用意しました。2万円を選んでいただいた方にはさらに、会場で配布される①パンフレット(リーフレット)②来場特典の大会オリジナルカレンダー③同コースター――のセットを贈る特典も用意しました。DICの個人スポンサーでは、グッズを郵送で贈る特典はこれが初めてです。

すると、公開した日の1日だけで、なんと前回のオンライン大会合計スポンサー数(26人)を上回る31人の方からご支援をいただくことができました。

すべてのスポンサーの方は、お申込みいただく度に大会公式twitterアカウントでご紹介し、URLリンクを設定いただいている場合は必ずリンク先も紹介するようにしていました。イラスト画像を設定いただいている方はそのイラストも紹介しました。

翌日以降もスポンサー申請があったことを知らせるLINEの通知は全く止まらず、泣きたくなるくらい感謝しました。

最終的には、なんと81人の個人スポンサーから、60万円近い多大なご支援をいただくことができました

Tonamelの手数料が15%分かかりますが、それでも50万円近い額を運営経費に充てることができました。1人が突出した額でご支援いただいたわけではなく、郵送特典付きの2万円以上をご支援いただいた方が13名もいらっしゃいました。

DBDというオフライン大会の文化が浸透していないタイトルで、新しく誕生したオフライン大会に対する期待を感じることができました。同時に、「感動と興奮を共有する場をつくる」ことをモットーに1年8カ月にわたり活動してきたDICに対する応援という、ありがたいお気持ちをたくさんいただけてとても嬉しかったです。

結果的に、初めて開催したオフライン大会の収支は最終黒字となり、次回大会につなげることができそうです。個人スポンサーの存在がなければ、次回大会は確実に開けませんでした。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

会場で存在感を増したスポンサー

今大会は100席にも満たない小規模の会場で開催したため、観覧チケットの応募は9倍を超える結果となってしまい、個人スポンサーの方の中でも会場に来られなかった方も多く出てしまいました。この点については次回大会以降で改善したいと思います。

お約束していた「スポンサーボード」は、当日会場にしっかりと用意させていただきました。

非掲載希望の方を除いた分になりますが、メッセージとお名前、画像(登録いただいた方のみ)を1人1枚にまとめ、それを並べて貼ったものです。

選手やチームだけでなく、キャスター、観客、スタッフなど一緒に大会をつくるすべての関係者に向けた応援メッセージもいただけたりして、まさに「スポンサーという形で大会に参加する」という言葉を体現できたような気がしました。

当日はスポンサーボードを眺める多くの観客の姿がありました。



予算計画の重要性

おかげ様で、DIC初のオフライン大会は大盛況に終わりました。もちろん最終黒字になったのは、無償でお手伝いいただいたスタッフのみなさんの存在も大きいです。

モニター画面の明るさの調整を行うスタッフら

メインカメラの設定を確認するスタッフ

ZONeを並べるスタッフら

ですが、やはり当初の予算計画の甘さは、ここしょーの大きな反省点の一つです。

大会終了後、選手のみなさんや観客のみなさんから「参加できてよかった」「本当に楽しかった」「また次も参加したい」というお声をいただくことができ、スタッフからも「めちゃくちゃ楽しかった。次も協力したい」と言ってもらえました。オンライン視聴者のコメントやツイートを見てみても「次は必ず会場に行きたい」という声であふれていました。

ですが、自分の甘い予算計画のせいで、危うく次回開催ができなくなり、こうした期待に応えることができなくなるところでした

それを救ってくださったのが、個人スポンサーの皆様です(YouTubeのSuper Chat等で支援いただいた方ももちろんそうです)。次回はこの反省を生かし、入念な予算計画を立案して持続可能性のある大会運営をしていきたいと思います。

ちなみに、Tonamelのスポンサー機能は大会主催者なら誰でも無料で利用できます。いただいた額の15%の手数料分が引かれるだけです。視聴者の皆様に応援していただきながら、一緒にコミュニティを盛り上げられる貴重なツールだととらえています。リターンは必ず設定しなければいけないという決まりはありませんが、お金をかけなくてもできることはたくさんあります。そのアイデアも、大会運営の腕の見せ所だと思います。

大会主催者が、無理なく運営を続けられるようにと願って開発された大会運営プラットフォームTonamel、そしてそのなかで欠かせないスポンサー機能。今後も活用させていただきたいと思っています。

明日23日は、Odaさんが「【Splatoon3】好きなゲームがどうやったら盛り上がるのか動いてみた2022」というテーマで寄稿される予定です。スプラ3の発売で大いに盛り上がった2022年。どんな内容か気になります。それでは、引き続きこみゅリポ Advent Calendar 2022をお楽しみください! DBDコミュニティ大会オーガナイザーのここしょーでした!



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