第4回大会

#8 DIC優勝、プロ契約、その先へ

ぱんぱんさん26歳

—— ぱんぱんさんはチーム「GALPANDA」のリーダーとしてチームを率いて、DIC第4回大会優勝を果たしました。今のお気持ちを改めてお聞かせください。

1週間がたった今でもまだ実感がわかず、ニヤニヤしてしまいます。「DIC優勝」はうちのチームの最終目標だったので、64チームという多くのチームが参加する今大会で優勝できて、こんな気持ちのいいことはありません。優勝後は多くの方からお祝いのメッセージをいただき、中には知らない方からのメッセージもあり、改めてDICが反響の大きな大会なんだなと感じました。

—— ぱんぱんさんはDIC第1回大会に個人参加いただき、GALPANDAとしては第3回大会からご参加いただいていました。チーム結成のきっかけと、その後の活動歴を教えてください。

初めて競技DBDを知ったのは公式大会でした。「決められたルールの中で実力を競い合う面白そうな舞台だな」と感じ、チームを組んでいなかったのでDIC第1回大会には1人で参加しました。当時、DBDで再会した大学の同級生の「だにまる」と、twitterを通して知り合ったメンツでほぼ毎日カスタムマッチで遊んでいたのですが、みんな馬が合ったので、主要大会で勝つことを目標に、2021年6月頃にチームを結成しました。ただ、当時はキラー担当がいませんでした。「自分たちが強くなれば入ってくれる」と考えながら、twitterでカスタムを組んでくれる赤帯(彩帯)キラーを募集していたところ、「がるぱんだ」が来てくれました。でも、がるぱんだは強すぎて、永遠に5台残しが続いたんですよね(笑)。

彼にカスタムで鍛えてもらいながら、しばらくサバイバーのコーチングもしてもらっていたのですが、彼がサバイバーで所属していた別チームを辞めて「競技DBDからも引退する」と言い出したんです。チームみんなと話し合って、「これまでお世話になったし、最後くらい一緒に大会出よう」という話になって、2021年10月に行われた「ホーキンス杯」(だーきー&こまさん主催)に出場したところ、がるぱんだがキラーMVPを獲りました。最後の思い出のはずが、まさかのMVP。彼は普段からおとなしくて無愛想なので、何も言ってきませんが、すごくチームに加わりたそうな雰囲気を漂わせてきたんです。なので、こちらから気を使って「入る?」と聞いてあげたら「あぁ、じゃあ入ります」って。そんな感じで2022年1月にがるぱんだが正式加入し、今のメンバー構成になりました。それからは20以上の大会に出場し、実践を積んできました。2021年の冬には初めてチームのオフ会も開き、USJに行きました。20代男子が集まるチームでみんな仲良しですが、採用するパーク1つで5時間くらい言い合って喧嘩したこともあります。

—— 2022年2月に行われたDIC第3回大会ではベスト8という結果でした。当時をどう振り返りますか。

活躍できたものの、「うちのチームは決勝ステージに進出したどのチームと戦っても実力が一歩及ばないよね」という話になりました。いい経験と楽しい思い出にはなったけど、その分、強く思いました。「もっと上手くなりたい」と。がるぱんだは負けたのが悔しかったからか、DIC第3回大会後はしばらく週5日練習していましたね。ただ、自分はあまり練習が好きではないので、週2~3回の定期練習のみと決めています。みんな仕事もプライベートもあるので、メリハリをつけて「やるときはやる」という姿勢を大切にしています。

—— DIC第4回大会の開催が告知され、さらに大会直前には大型アップデートで試合環境が大幅に変わりました。チーム内ではどういう話をされ、どんな対策を考えてきましたか。

告知があったときは、有無を言わさず「出るよね、いいよね?」という感じで、日程の確認だけしました。仕事のメンバーもいましたが、自ら有休を取ってくれました。「DIC優勝」は最終目標だったので、当然出る、という雰囲気でした。大型アップデート後の第一印象は「とにかく通電しなさすぎる」というものでした。サバイバーのパーク重複禁止というDICのルールでは、計16枠のパーク構成を考えなくてはなりませんが、上手いキラー相手だとほぼ通電しないため、「ハッチ脱出も見据えた構成」を考えました。具体的には、チェストから鍵を出しやすくする「コソ泥の本能」と「査定」、脱出ゲートの開放速度を50%上げる「唯一の生存者」、最後の1人になると24m以内のハッチが見える「置き去りにされた者」などを採用しました。実際の試合ではたまたまパークが生かせたと見えるかもしれませんが、実際には残り2人で1人がダウンを取られてから失血死するまでの4分間隠密する練習をしっかりしていました。

—— その今大会、予選1回戦は不戦勝で、2回戦は10対10のスコア勝負、3回戦は10対9と僅差で決勝ステージ進出を決めました。予選を総括してみるといかがですか。

一番思ったのは「やっぱり通電しないな」という思いでした。3回戦は練習していたハッチ脱出を決めてなんとかギリギリで決勝ステージ行きをつかんだので、とても嬉しかったです。第3回大会がベスト8だったので「前回のところまでは最低でもいかなきゃ」という思いがありました。ただ、予選が終わって間もなく、メンバーの「ゆーいち」が体調不良で決勝ステージに出られないことになり、急遽がるぱんだがキラーとサバイバーを兼任することになりました。GALPANDAが勝つためには、がるぱんだのキラーで全滅を取ることがほぼ必須条件だったので、がるぱんだにはキラーの練習を優先してもらい、結果的に本番までにサバイバーの全体練習はほぼできませんでした。

—— 準々決勝を勝ち、さらに準決勝も勝って決勝戦に駒を進めたときのチーム内の雰囲気はいかがでしたか。

「あと一歩だ!」と、かなり盛り上がりましたね。「ようやくここまで来れたな」とみんなで喜んでいました。うちのチームの変なところなのですが、なぜか「先に集合写真を撮ろうよ」という流れになって、準決勝が終わった後にそのまま「優勝したときバージョン」と「準優勝だったバージョン」の2種類の写真をカスタムマッチ内で撮りました。いい意味で緊張感がなかったと思います。決勝戦が始まる直前も全く緊張してなくて「結果は後からついてくるから。準優勝の写真も撮ったし、せっかくここまで来たんだから最後まで楽しく戦おう!」とリーダーぽいことを言ってチームを鼓舞しました。

—— 決勝戦はDIC本大会の決勝戦では初の延長戦になりました。第3ラウンド後半、キラーのがるぱんだ選手がハッチ逃げを許してしまったシーンもありましたが、その直後のチーム内ボイスチャットではどのような言葉をかけましたか。

がるぱんだのミスはそれまであまり見たことがなかったですし、相手チームのサバイバーが全員ダウンとなった時点で、正直「マジ?勝ったの?優勝インタビュー何話すよ!」と盛り上がっていました。それでもハッチ逃げを許して延長戦となったことをがるぱんだから聞いたときは、本心から「気にするな」と言いました。「ここまで来れたのはがるぱんだのおかげだから」と。大会後にがるぱんだが配信で「半泣きしたおかげでメンタル面はリセットできた」と話していたのを聞いたので、言ってよかったなと思いました。

—— 延長戦ではがるぱんだ選手が先攻キラーで2ポイントを得て、後半戦はGALPANDAのサバイバーが3逃げを果たして優勝を決めました。延長戦は振り返っていかがですか。

延長戦となることが決まった時、がるぱんだは「キラーは休みたい」と言っていました。ですが、先攻キラーの得点によって、通電必須なのか、ハッチ関係パークを多く採用した方がいいのか、サバイバーの戦術にもかかわってきます。なので、負担をかけてしまいますが「キラー先攻で行ってくれない?」とお願いしました。相手チームがマップ「怒りの聖所」を選んだときは、少し嫌な雰囲気がしていました。相手チームは準決勝でも同じマップで戦っていたのでおそらく練習を積んできたのだろうと推察できる一方で、自分のチームは全く練習してこなかったマップだったからです。それでもがるぱんだが2ポイントを持って帰ってきてくれたことで勝ち筋が残っていたので、「ありがとう」と伝えた記憶があります。

最後の試合は、作戦なんて何もなかったです。3人以上脱出できれば勝ち。「逃げるしかないし、なるようにしかならない。とにかく頑張って出よう!」とだけ声をかけました。3人でゲートから脱出した瞬間は、「マジ!?マジ!?」「大丈夫だよね?勝ったんだよね?」とみんな興奮しきりでした。優勝インタビューまであまり間がなかったので、優勝した実感もないまま「いいのかな?」「とりあえず行くか」と半ば戸惑いながらインタビューを受けました。

—— Youtubeのチャット欄やtwitterにはGALPANDAの優勝を祝福する数多くのコメントが寄せられていました。それらはご覧になりましたか。

はい、もちろんです! 大会終了後は興奮しすぎて全然眠れず、ひたすらエゴサーチをしながらニヤニヤしていたら朝になっていました。一睡もせず朝から仕事に行きました。自分たちが好きでやっていたことで、全く知らない人からも「GALPANDAすごい」と応援いただくことがこんなにも気持ちよくてありがたいことだなんて初めて知りました。

—— 優勝後は、プロeSportsチーム”Land Valk”(ランドバルク)への所属も決まりましたが、今後の展望を聞かせてください。

正式な契約書を交わすのは今後ですが、DBDがeSportsの正式競技ではない現環境でこのようなご縁をいただいたことにまずは感謝したいです。今後はチーム名を”LVギャルパンダ”に改め、金銭面でのサポートを得ながらDBDの大会でさらに活躍できるよう努力していきます。先方からの説明では「セミプロだと思ってもらえれば」との話でしたが、DBDでおそらく日本初となるプロ契約は先方も手探りの状態だと思うので、一緒に大きく成長できたらなと思っています。これからも、本業の傍らで楽しみながらDBDを続けていきたいな、と考えています。趣味の延長で好きなことをやって活躍できたら、これほど幸せなことはないですね。

あとは、今大会をもってチームメンバーの「ゆーいち」と「なおてぃ」が活動休止になるため、GALPANDAでは現在サバイバー1~2名を募集しています! ありがたいことに、既にたくさんの応募をいただいています。9月中旬頃までにカスタムマッチなどを交えながらGALPANDAで一緒にやっていきたいかを見てもらった後、トライアウトを経て10月中に新メンバーを発表できればと考えています。新メンバーも含めた新生「LVギャルパンダ」としてプロチーム契約を正式に結ぶ予定です。

—— DBDのチームがさらに活躍の場を広げることに繋がる実績の一つとして、DICのタイトルを評価いただけたことは主催者冥利に尽きる思いです。最後に、競技DBDの現環境に対する考えや、今後大会への参加を考える未来の選手たちにメッセージをお願いします。

競技DBDが広まっていくために、ゲームの根っこの部分で開発陣に試合環境をもっと整えてほしい、という切なる思いはあります。ただ、DICのように企業が大会スポンサーになってくれるなど、大会シーン自体はどんどん大きくなってきているとは感じています。今回のプロチーム所属が、eSportsの舞台でDBDのプレゼンスが上がるいいきっかけになってくれたらいいな、と思います。

大会には興味があるけど自分が出るのはちょっと……と考えている方に、伝えたいことが2つあります。それは、「結果を焦らないでほしい」ということと「心を許せる仲間と頑張ってほしい」ということです。自分たちも最初の半年は出場したすべての大会が初戦敗退でした。でも、大会という舞台は公開マッチでは得がたい充実感や達成感が味わえる場所です。まずは「1勝」して大会の魅力を味わう。そのためには、ある程度経験を積むことも必要です。楽しくなければ続かないので、心を許せる仲間と一緒に大会を楽しみながらDBDの違った魅力を味わってほしいなと思います。

(聞き手 ここしょー)
※年齢(年代)は取材時点のものです

答えてくれた人
ぱんぱんさん

2020年9月頃からDBDを始め、総プレー時間は約4500時間。東京都在住。小学3年からサッカーを始め、大学では体育会サッカー部員だったサッカーガチ勢。社会人となった今は、フットサルとサウナで身も心もリフレッシュしている。Youtube ぱんぱん



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